きょう、2月1日は妻の誕生日。生きていれば54歳。ホームページを作ることにした時、公開日はこの日にしようと決めた。
妻に「ブログを始めようと思うんだけど…」と相談したことがあった。タイトルは「乳がんの妻を持つ夫の日記」。妻はあっさりと「いいんじゃない」と答えていたけど、実行に移す前に旅立ってしまった。
あれから8か月。牛歩のあゆみでようやくここにたどり着いた。でも、あの時に書きたいと思った日々はもう戻ってこない。
きっかけは何だったろう。
妻の介護認定を受けようと相談に訪ねた施設の方に「お気の毒に…」という顔を向けられた。悪気はなかったのだろう。自分が逆の立場でもそうするかもしれない。が、その瞬間に(自分ってやっぱり不幸なんだろうか???)と疑問がわいてきた。
世の中にもきっと自分と同じ境遇の方はいるだろう。皆さんはどう思っているのかな、と知りたくなった。そのためには、まずは自分がブログを書いてみることだと思った。
妻と病院を訪れた時、院内を移動するのに車いすを貸してくださった。妻を乗せた車いすを押す私は、何だかふたりでドライブに出かけた気分になってつい調子に乗ってしまい、バックをしたり急ターンをしてみたり(よい子は絶対に真似しないでね)、“暴走”していると、妻が「病人を乱暴に扱わないで!」と苦笑いでうったえてきた。
日に日に妻に代わって家事をすることが増えてきた。それでも、忙しいと思うよりも、楽しい、嬉しいと感じることのほうが多かった。それはなぜだろうと思ったが、考える余裕はなかった。
妻は私と結婚した理由を「あなたと一緒に何かをしていると楽しいから」と語っていた。なるほど、自分もそうだと思えることがいくつも浮かんできた。
「絵はがきを描いていきたい」と妻に話したのは、亡くなる一か月前のこと。「いいんじゃない」といつもの返事だった。
だからなのだろう。絵はがきを描いていると妻と一緒にいるようで楽しいと思えるのは。
ホームページ開設、おめでとうございます㊗️
ひとつひとつ、願いが形になりますね。