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第二章

「三次」の個展に向けて「吉舎シリーズ」を描き始めた。
間に合うのか、いささか心許ないが、
とにかくがんばろう。

第一弾に選んだのは「品の滝」。
3月に取材を済ませていた。

初心に戻って絵はがきサイズ(148mm×100mm)で描くことにした。
最初に全体をBLACKで輪郭や陰影を描く。
木々の枝を描いていると、
初めの頃のワクワク感が蘇ってきた。

そうだった。
あの頃は一枚描くごとに
腕が上達している感覚があった。
次はこうしてみよう。
今度はこんなものにチャレンジしてみよう。
次はもっと上手に描ける。
その次はさらにいい作品ができる。
そうした高揚感が
創作意欲を掻き立ててくれていた。

ひるがえって今は違うのか?

そうとも言えるし、そうでないとも言える。
注文をいただいて描いていると、
どうしても挑戦しよう、とはならない。
期待されているものを描く必要があるからだ。
一方で、先様が想像していたよりも
はるかに上をいく絵を提供するためには、
「挑戦」が必要になってくる。

「広島」の個展を終えて、
なんとなくだが、
第一章を終えたような気がしている。
そして、ここから第二章が始まるのだ。

帰るふるさとがある

庄原市本村の桜

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